決して住みやすくはない、でも嫌いになれない国
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フランスで暮らしていると、日常的に「なんでこうなるの!?」とツッコミどころに遭遇します。
行政手続きは進まない、お店の店員さんはお喋りに夢中で客はほったらかし、道には謎のゴミ……。正直、日本と比べたら「決して住みやすい国」ではありません。
それなのに、なぜか完全には嫌いになれない。むしろちょっと愛おしくすら思えてしまう。 今回は、フランスで暮らしながら痛感した「日本とフランスの根本的な違い」と、ツッコミどころ満載の日常についてお届けします!
ツッコミどころ満載!フランスの「悪いところ」(泣)
日本の感覚で暮らしていると、毎日がカルチャーショックの連続です。
- バス停の列があるのに、、、 一応列らしきものはあるものの、バスが来ると後ろからスッと横入りして乗っていく人が多数。しかも本人たちに全く悪気がない。
- 客を放ったらかして雑談に夢中 お店や市役所でせっかく順番が来ても、店員同士のお喋りが優先。目の前で客が待っていても会話をやめる気配ゼロです。
- スーパーの「賞味期限」ミステリー 日本では手前が古く、奥に新しいものが置かれますが、フランスのスーパーではなぜか賞味期限が切れそうなものが奥に潜んでいる罠があります。並べるスタッフがきっとめんどくさいか、何も考えずに前から置いたに違いない。
- メトロやRERに時刻表はない 「〇時〇分発」という概念はなく、掲示板には「あと〇分後に来る」と表示されるスタイル。遅延も日常茶飯事です。
- ゴミ箱はあるのに道に散乱 街のそこらじゅうにゴミ箱が設置されているにもかかわらず、なぜか道端にはゴミやタバコのポイ捨てが散乱しています。
- 赤信号は「誰もいなければ渡る」 赤信号で真面目に待つ歩行者はかなり少数派。フランスに長く住んでいると、自分まで「車が来ないなら赤でも渡っちゃえ」とフランス化していくから恐ろしいです……。
- 電車やメトロの環境 シートが破れてボロボロだったり、車内で浮浪者が堂々と寝ている光景にもすっかり慣れてしまいました。綺麗にしても直ぐに汚くなる。だから張り替えないのか。。。
- ストライキが多い 不満があったら直ぐにストライキを起こす、その前に話し合えないのか。。。

などなど、フランスあるあるは他にも沢山あります。ゴミはゴミ箱に捨てない人が150%悪いと思いますが、それ以外は、常識の違い、文化の違い、で片付きそうです。
一番の違いは「常識の範囲」
なぜこんなことが起きるのか? それは日本とフランスで「常識」や「道徳」の前提が根本的に違うからだと思います。
- 日本の「常識」: ほぼ単一の文化・価値観の中で育っているため、「言わなくてもわかるでしょ」「普通はこうするよね」という空気を読む・察する文化がベースにあります。
- フランスの「常識」: 多様な人種や国籍の人々で成り立っている国です。育った背景が違うため、「普通」の基準も人それぞれ。だからこそ、日本の「道徳」や「マナー」の基準で測ろうとするとイライラが爆発してしまいます。
「相手も自分と同じ道徳観を持っているはず」という前提自体が、フランスでは存在しないのです。
2歳、3歳から全く違う!教育方針に見る「個」と「集団」
この価値観の違いは、なんと2〜3歳(幼稚園)からの教育方針にまで遡ります。
- 日本の教育: 幼稚園に入ると「みんな仲良く一緒に遊びましょう」「お友達に譲りましょう」と、協調性と集団行動を教わります。
- フランスの教育: 3歳で学校に入った瞬間から求められるのは、自分の意見をハッキリ言うこと。 「みんなと仲良く遊ぶ必要はない。やりたくないならやらなくていい。でも、自分がどうしたいかは言葉で主張しなさい」というスタイルです。

3歳の時点で「集団の和」を学ぶ日本人と、「個の主張」を学ぶフランス人。 根本的に違うので、大人の日本人の道徳的な常識が通用するはずもありません。
それでも嫌いになれない!フランスの「いいところ」
これだけツッコミどころだらけのフランスですが、どうしても嫌いになれない魅力があります。それは「人に対する温かさ」です。
- 席を譲る優しさが自然 メトロや電車で、妊婦さん、お年寄り、子連れを見かけると、周りの人がすっと自然に席を譲ってくれます。私自身、妊娠中や子どもが幼い頃は、本当にたくさんの人々に優しくしてもらいました。
- 子どもにすごく寛容 電車やレストランで子どもが泣いたり騒いだりしても、嫌な顔をされるどころか、温かい目で見守ってくれたり笑顔で話しかけてくれたりします。
マナーやシステムは適当でイライラすることも多いけれど、困っている人や子どもに対する優しさは、日本以上に溢れていると感じます。
ちなみに:フランス人の「謎行動」の理由は移民局で学べる!?
ちなみに、フランスに長期滞在する際、避けて通れないのが滞在許可証・Titre de séjourの取得手続きです。
その過程で移民局(OFII)に通うことになるのですが、そこで受講が義務付けられている「丸4日間の市民講座(Formation civique)」と市民試験があります。
最初は「丸4日間も講座を受けるなんて大変……」と思うのですが、実はこの講座がものすごくためになります。
フランスの歴史や理念、文化の違いはもちろん、「なぜフランス人はこれほど頻繁にストライキを起こすのか?」「なぜこれほど自分の権利や意見を主張するのか?」といった背景までしっかり解説されます。
この講座を受けると、「あ、だから街中のフランス人たちがあんな行動をとるのか!」と、それまで感じていたツッコミどころの謎がすっきり解けて深く納得できます。そしてイライラ感が少し減ります。
フランスの仕組みや滞在許可証の手続きについては、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
👉 フランスで滞在許可証を取得するまでの流れ|2026年最新版・仏語試験と市民試験対策
フランスの恥ずかしいところ (キャッサーへの対応)
デモに便乗して暴力や破壊を振るう「Casseurs(キャッサー)」の存在だけは受け入れられません。ちなみに、Casserは壊すという意味です。
イエローベスト運動や学生運動に象徴されるように、フランスには市民が声を上げて権利を勝ち取ってきた歴史があります。そのため、デモや抗議を行う権利そのものを否定するつもりはありません。
しかし、デモやイベントの混雑に紛れてお店を破壊し、略奪を働く行為は全く別問題です。現地で暮らす一人として、こうした身勝手な行動には強い憤りと恥ずかしさを覚えます。キャッサーに対しては、今よりも法的・警察的な処置を厳格化すべきではないでしょうか。
先日(2026年10月17日)のデモでも、キャッサーによる被害は甚大でした。1800年代に建立されたリモージュ市庁舎への放火や、周囲の店舗への侵入・略奪など、極めて醜悪な事態となりました。歴史的建造物や人々の営みを踏みにじるような行為に対し、然るべき厳しい罰が科されることを強く望みます。
おわりに
フランスでストレスなく暮らすコツは、日本の常識や道徳を一度忘れること、自分にここは日本じゃないと言い聞かすこと、かもしれません。
効率や完璧さとは程遠く、ツッコミどころ満載な国ですが、誰もが自分らしく生きていて、子どもや弱い人に優しい。
だからこそ、多少住みやすくはないが、この国を嫌いになれないのかもしれません。